猪木×グレートアントニオ |
当時、小学生だった私にはシュート、セメントなんて
概念は当然ありませんでしたが、何となくいつもとは
違う殺気を感じ、衝撃を受けた試合です。
この試合と翌年のローランボック戦の異常さは
ガキながら強く印象に残りました。
猪木さんが何でキレたのか。
アントニオが臭かったから・・・プロレスが出来なかったから・・・
巡業中わがままだったから・・・諸説入り乱れてましたが
ビデオで見直すとアントニオがロープ際で“普通じゃない”パンチを
放ったことがきっかけだったように思えます。
アントニオにそのつもりは無かったのかもしれませんが
試合前からいらだっていた猪木さんにとっては「仕掛けられた」
と感じたのかもしれません。
勿論、前記した要因が全て蓄積しての結果だと思いますが、
少なくともあの時点まではプロレスを成立させるつもりが
猪木さんにはあったと思います。
しかし、この時の猪木さんの戦法は巨漢相手の喧嘩の見本のようですね。
横からタックルに入り、足を取って寝かしたうえで顔面蹴り。
後年、藤田がサップをほぼ同じ戦法で倒したことで
猪木さんの喧嘩強さが立証されたと思います。
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コメント
投稿者:ねこギター 2006/5/24 12:19
今は、TVでプロレスを観ると情けない気持ちになるので、<DVD-BOXアントニオ猪木全集>ばかり観てしまいます(^^)。
G・アントニオについて、プロレスが出来ないことだけではあんなことにならなかったでしょうね。マクガイヤー兄弟も使ってましたし、規格外レスラーはそれだけで営業的には貢献していると考えられるから。
猪木さんが切れた直接の原因は、パシンさんの言われるように、アントニオは、通常背中に対して落とすパンチを猪木さんの後頭部へかなりがむしゃらに叩きつけています。あれで切れた感じしますね。顔面を蹴り上げた後は、執拗に後頭部付近をストンピングしてますから。
猪木さんのレスリングや技術は、当時より今改めて観た方が巧さや凄さが分かりますね。
投稿者:kimura 2006/5/24 23:51
G・アントニオ戦についてインタビューしたとき、猪木
さんはこんなことを言っていました。
「きっと〝闘う者としての品格〟ってあるんじゃない
かな。それがないと野良犬と喧嘩してる気分になっ
ちゃう」
「(シュートは)俺の方から仕掛けたことは一度もな
いよ」
この試合、猪木さんの〝キラー〟へのスイッチがどこ
で入ったかについては、あらためてビデオを見直す
と、ねこギターさんの指摘が正しいように思います。
しかし、キレてしまうほどのパンチだったかという
と、それには疑問を感じます。
そもそも、最初から猪木さんはこの試合には乗り気
じゃなかったんでしょうね。力があるだけのでくの坊
の上に鼻持ちならない自己顕示欲の持ち主。試合を成
立させるには猪木さんが自ら譲歩して花を持たせるし
かなかった。仕方なくはじめはそうしたものの、G・ア
ントニオがいい気になってパフォーマンスばかりして
闘おうとしないのに業を煮やし始めたところに後頭部
へのパンチ。その瞬間、そんな試合をしている自分自
身が馬鹿らしくなってしまった。そういう心理だった
んじゃないでしょうか。
この一戦が行われた1977年といえば、アントニオ猪木
にとってまさに全盛期。アリ、ルスカ、モンスターマ
ンといった当時の世界最高峰の格闘家たちとも闘い、
ソンナン、ペールワンとのシュートマッチも経験した
後です。G・アントニオ・・・なんで今さら!? 人一倍
プライドの高いアントニオ猪木は、同じリングに立っ
ていることにも耐えられなかったのだと思います。
猪木さんはこうも言ってました。
「相手がゲテモノでも試合を成立させる自信はあっ
た。自分の信じる〝これぞレスリング!〟という世界
に引きずり込んで、ひとつレベルの高いプロレスにし
てやるという気持ちもあった。でも、(G・アントニオ
には)そういう気持ちが伝わらない怒りは、たしかに
あった」
投稿者:kimura 2006/5/25 0:30
そうそう、パシンさんの指摘している猪木さんのタッ
クルの動きについてひとつ。
タックルからサイドへ回り込んでテイクダウンという
テクニック。これ、さっき思い出したのですが、98年
3月の引退試合前の沖縄キャンプで、佐山さんが小川
選手に教えていました。しかし、小川選手は柔道家と
してのプライドのためか、あまり熱心に聞こうとはし
ていなかったように見受けられました。
投稿者:pasin 2006/5/26 0:02
>ねこギターさん
>今は、TVでプロレスを観ると・・・
全く同感です。とはいえ私、DVDboxは持ってないんですけどね(汗
>猪木さんのレスリングや技術は、当時より今改めて観た方が巧さや凄さが分かりますね。
そういえばUWF全盛の頃、アマレス経験もある柔道部の顧問が「前田なんかより猪木や長州の方が本物だよ。蹴りなんか使えなくても、グラウンドコントロールの技術が凄いから。関節技なんて十字と腕がらみを知ってればなんとかなるんだから」と教えてくれたことがあります。
当時は半信半疑だったのですが、総合を通過して少しはその凄さがわかるようになりました。
投稿者:pasin 2006/5/26 0:18
>kimuraさん
Gアントニオはこの試合の後は全く消息を聞きませんが、どうしているんでしょうね。
ゴッチやビルミラーにボコられたという試合もあったらしいですから、そういうスイッチを入れる変な才能があったのかもしれません(^^;
>タックル
ノゲイラとサップがやった試合を見て「ノゲイラにああいう巨漢には横からタックルに入らないと潰されるとアドバイスしたんだけどな」と猪木さんが語っていた記事を読んだ記憶があります。
流石、猪木・佐山という天才二人はその辺も心得ていたんですね。
投稿者:kimura 2006/5/26 18:15
G・アントニオはアンドレと違って本当に木こりだった
そうで。ということは、やっぱり山に帰ったんでしょ
う(笑)。
ちなみに、猪木さんはアメリカ修業時代、化け物みた
いに力の強い木こりと闘ったことがあると言っていま
した。
当時はたまに素人の腕自慢をリングに上げレスラーと
試合させていたとか。日本と違ってアメリカには素人
でもデカくて強い奴がごろごろしていたから、結構、
選手も真剣だったそうです。もしかすると、そういう
場面でレスラーのシュート能力の査定も行われていた
のかもしれません。
そういえば、アントニオ猪木は当時の地元の新聞で
〝グラップラー〟と紹介されていたそうです。
アメリカマットのショー化が進む以前には、メディア
もファンも見る目があったんでしょうね。
投稿者:pasin 2006/5/27 1:27
>当時はたまに素人の腕自慢をリングに上げレスラーと試合させていたとか。
マサ斉藤やヒロマツダもそういう経験が豊富らしいですね。
そういう相手には関節とるとか面倒な事はしないで、マウントとって肘を顔面に落として絞め落としていたとか。
猪木さんも木こりを相手にした時はボコボコにぶん殴ったと語ってましたね。
馬場さんはそんな経験無かったんでしょうけど(^^;