◆両国国技館へ18時前到着。結構、賑わっている。入り口付近で春一番氏が取材を受けていた。スーツ姿の新間氏の姿も。私の席は2階東側の真ん中辺り。両国国技館に来たのはベイダーデビュー戦のあの暴動以来だから約20年振り。懐かしい。
◆実況席から猪木さん、柴田氏、辻氏によるコンセプト等前フリがあった後、第一試合がスタート。所謂、バトラーツスタイルのハードヒットプロレス。かなりエグイ事をやっているのだけど照明が明るいせいかお客はまだリングに集中できていない。ちょっと可哀想でしたね。
続く第二試合はアクロバチックで典型的なジュニアの試合。IGFのリングでやる意味はあるのか。それなりに沸いてはいましたが、個人的にはこの試合が一番つまらなかったですね。
ここまではアントニオ猪木推薦試合ということでダークマッチ扱い。
◆ここで客席の照明が落とされ、2階席に設けられたお立ち台で狂言が始まる。引退後の猪木さんはこういう演出が好きみたいですが、個人的には×。途中でやったトリプルPとかいうラップグループのライブも寒かったです。
出場選手紹介。開催までのドタバタを反映してか、出場選手の控え室での表情がモニターに映し出される度にドッと沸く。かくいう私も何人かは出場取りやめになっているのかなと思っていただけに、盛り上がってしまいました(^^;
◆第一試合のアレキサンダー大塚×ランデルマンは両者のバックボーンであるアマレスベースの試合スタイル。アレクはこうしたスタイルが合うなあ。タックルをバンバン決めてマルコファスにMMAで勝った実績を思い出させてくれました。
第二試合は小原×タカクノウ。クノウのセコンドにはアマレスの大田章氏の姿も。良い意味でかみ合わないゴツゴツした試合で最近のプロレスとはかなり異質。昭和新日の前座みたいな内容でした。お互い身体が小さいせいか、両国を沸かすような迫力はありませんでしたが、IGFのコンセプトには一番合ってたかも。
◆第3試合はU-STYLE披露試合と銘打たれたダブルバウト。TVで見ると違うんでしょうが、会場で見ると正直眠い。田村が会場の空気を読んでスパートをかけたりしましたが、会場は暖まらず。田村にはシングルで上の選手とからんで欲しかったな。勿体無い。猪木さんもこういう試合は嫌いでしょうし、もう田村は呼ばれないんじゃないかな。
第4試合でジョシュ対安田。会場からはため息が漏れてました(^^;。安田の価値は落ちるところまで落ちたようですね。ジョシュは卓越したグラウンドコントロールで寝かせたら安田に何もさせず。何回も決めれる体勢に持ち込んではロープに逃がすという展開が続いた後、十字でフィニッシュ。まあこの試合はマッチメークミスでしょうね。ジョシュをここで使うのは勿体無かった。
◆第5試合は小川×コールマン。
小川は故橋本真也のテーマ曲で入場。大歓声。やっぱり「猪木の弟子」としての小川に期待する向きは多いんでしょう。コールマンと睨みあいを展開するなどハッスル以前の暴走王モード。コールマンがゴング前から突っかけて乱闘気味に試合開始。しかし良かったのはここまで。結局小川はUFOの頃から進歩してませんでした。コールマンが切れの良い動きで上手くリードするも、小川はドタバタするばかり。最大の長所だった殺気も薄れて、プロレスも上達しないんじゃ困ってしまいますね。結局、この人は相手が橋本じゃないとダメなのでしょうか。試合後、猪木にビンタされていましたが、張り返すぐらいじゃないと・・・
◆メーンイベントは当初の予定通り、レスナー×アングル。
どうせギャラ目当ての出稼ぎ、顔見世だろうと正直あまり期待していなかったのですが、2人とも正真正銘本物のプロでした。パンチ、キックひとつとっても迫力が違う。もちろん投げ技は一級品。ハイスパットの大技プロレスではありましたが、試合の組み立ても流石で他団体も含めた最近の日本人レスラーとは大きな隔たりを感じました。レスナーも新日に上がっていたときと全然違いましたねえ。なんで旗揚げ戦でこの2人がメイン?と思っておりましたが、今は納得です。
◆というわけで会場も8割がた埋まり、興行的には大成功?なんでしょうが個人的にはこれで良いのか?という思いが残りました。ハプニングも無かったし、座りの良い普通のプロレス興行。なんとも猪木さんらしくないというか。
当日の猪木さんの憔悴しきった虚ろな表情も気になりました。試合開始前の会見ではホッとした表情で上機嫌だったと聞きますのでやはり内容的に不満だったんでしょうか。
(また裏で金銭トラブルが生じてなければいいのですが・・・)
内容的には外人選手のレベルの高さに比べ、日本人選手の劣化が目立ちましたね。日本がプロレス先進国だったのは遠い昔の話。次回があるならマジで長期合宿した方が良いです。
あと格闘技的な攻防を主軸に置いたプロレスを目指すなら、
十字と裸締めとパウンドはいっそ禁止した方が良いと思いました。総合がここまで普及してきた現在、最もポピュラーな決め技である十字や裸締めをつなぎで使っても緊迫感が薄れて、説得力が無くなるだけだと思うんですよね。
昔のストロングスタイルと呼ばれた試合を見ると一発で壊せる技は使わずに、ヘッドロックやシザーズ、ポジショニング等でリアルな攻防を繰り広げていることに気づきます。
使用する技は限定しているのでそこでフィニッシュに至ることは無いですが、リアルな主導権争いがあるので単にリアル風な技を使うだけの「なんちゃって総合格闘技」と異なる必死さが見て取れます。
壊さない範囲でリアルな攻防を行い、相手の出方次第ではレベルを上げていく。これこそが猪木さんの言う「
プロレスとは闘いである」ということなんじゃないでしょうか。
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コメント
投稿者:kimura 2007/7/3 10:44
詳細なレポートありがとうございます。
テレビでは会場の雰囲気がいまひとつわからなかったのですが、おかげでだいぶ掴めました。
>十字と裸締めとパウンドはいっそ禁止・・・
同感です。格闘技におけるフィニッシュ技が安易につなぎ技として使われるのは、ご指摘の通り格闘技を見慣れてしまうと違和感がありますね。
ただ、十字と裸締めはパウンド禁止で攻防は可能。問題は首や腕を極めにかかる前のフェースロック、ネックロック、リストロックの攻防技術がいつの間にか廃れてしまった点で、猪木さんのいうプロレスのゲーム性(暗黙のルール)というのは、つまり、いきなり急所を攻撃し合うのではなく、体の末端からじっくり攻め合いながらクライマックスへの流れをつくっていくこと(無我流の型としての流れに非ず)。プロレスは真剣勝負だと猪木さんが言い続けてきた根拠もまた、そこにあったように思います(Gアントニオに対する行き過ぎた仕打ちは、そういうプロレスを守るための過剰な防衛反応でもあったのでしょう)。いずれにしても、pasinさんの指摘の通り、緊張感とは本物の攻防からしか生まれませんね。
他に私が印象に残ったのも、pasinさんと同じで小原・タカクノウ戦です。あのごつごつとした噛み合わない攻防もプロレスならではの凄み。頭突きというシンプルな喧嘩技もプロレスらしくてよかったです(本当の喧嘩になったら頭突きと噛みつきに勝る技はないというルール以前の凄みがあります)。
ジョシュのクロックヘッドシザースなんかも久しぶりに見た技でしたがよかった。たしかに、プロレス技再発見、再評価の第一歩は、そういった技が違和感なく繰り出されるルールの再構築(暗黙の了解ではなく)にあるのかもしれません。
投稿者:ゲンゴ 2007/7/3 11:07
>2人とも正真正銘本物のプロでした。
なるほど、プロの試合でしたか、納得。
詳しいレポ、有難う御座いました。
投稿者:pasin 2007/7/4 10:45
>ゲンゴさん
まあ、プロとは何かという話になるとややこしいのですが、アスリートとして優秀な両選手が手を抜くことなく、観衆を楽しませたという意味でプロだったと思います。少なくとも当日出場していた選手の中では最もプロ意識を感じさせてくれました。
投稿者:pasin 2007/7/4 11:20
>kimuraさん
UWFの登場で関節技の価値が見直されたのは意義あることだったんですが、リアルなフィニッシュホールドだけがもてはやされて、そこに至る過程の押さえ込みやレスリングそのものの価値が疎かになってしまったのはマイナスでしたね。
(猪木さんが引退前のインタビュー時点で押さえ込みの重要性を力説されていたのは流石)
今回のIGFを見ていて、ストロングスタイルの復興を考えるならばルール面の明確化は必須だと思いました。
>無我流の型としての流れに非ず
西村選手のやっていることはわからなくも無いんですが、そこに本物の攻防が無ければ、本質的にはラリアットプロレスや形骸化したUWFスタイルと変わらないと思います。折角ドリーやゴッチに師事するのであればその辺の本質的な部分を汲み取って欲しいですね。