予言 |
―ミレゴジで始まるこれからのゴジラの新シリーズで一体
どんな怪獣が出てくるのかが想像つかないところがあって、品田さんが
2作目、3作目の新怪獣をって言われたらどんなことを考えるのかという
ところに、凄く興味があるんですよ。
品田:ゴジラと張り合えるだけのメインイベンターの新怪獣を打ち出すのは
簡単じゃないと思いますが、僕的には怪獣トーナメント的な「怪獣総進撃」
みたいなものに魅かれますね。
やられ怪獣バシバシで最後に残ったものが闘うという。
―「怪獣無法地帯」は怪獣ファンの夢ですよね。
品田:燃えますよね。ウルトラマンに行き着く前にやられていく怪獣が
大勢出ると言う。
(中略)
それから平成ゴジラはシリーズ設定の縦軸が妙な残り方しちゃって
一本一本の印象が薄い。設定遊びに終始しちゃってる感じがありますよね。
昔のゴジラって喜劇だったり「ヘドラ」みたいに社会派だったり、
冒険モノだったり、開き直って怪獣プロレスだったりして。
多少無理をしても前回の内容を引き継ぐような連続性を持たせていた
のが平成シリーズでしたから、「vsビオランテ」の頃は新鮮だったけど
何本も続いていくと、ちょっと食傷気味になるところがありましたね。
―ミレニアムの新シリーズに一体どういう可能性があると思いますか。
品田:結局、怪獣の原点はゲテモノ映画だったと思うんです。
おどろおどろしい描写なり、いわばコケおどしの部分では、
変に学術的な要素とか最先端のCGとかよりもエンタテイメントに
徹するのが大切だと思います。別に200万年前がジュラ紀でもいいから
イカサマ的な煙に巻くやり方をしつつ人を楽しませる、テーブルマジック
的なトリックというのが身上なんじゃないですかね。
シェーしたりドッジボールやったりするゴジラもいたわけですから、
ここらでひとつ思い切りそういう方向に行ってしまえば、又違う
方向も見えてくると思うんですよ。
でないと平成の」閉塞感を又繰り返すことになるんじゃないか
という手詰まり感がどうしてもあるんです。
(ヤマダマサミ著「ゴジラ見る人/創る人」より)
これはミレニアム公開直後のヤマダマサミ氏による品田冬樹氏インタビュー
からの抜粋です。
すでにこの時点で品田さんはGFWの登場を、そしてミレニアムシリーズ
のこう着状態を予見していたかのような見解を示しています。素晴らしい。
でも品田さんが関わったGMKですら、設定地獄的な部分は拭えません
でしたね。まあ、あれは金子監督の映画ですけど。
(それでも私は好きな作品&監督です)
GFWこそ品田さんが関わるべき作品だったのかもしれません。