宇宙戦争 ★★★★☆ |
「激突」「ジョーズ」は好きですか?
両方ともいけるくちなら、この映画は絶対見るべきです。
<ネタバレ有り>
◆ストーリーはウェルズの原作に割と忠実。
原作を読んでるorジョージパル版(これも名作)を見ている人にはおおまかな展開
もオチもわかってしまうでしょう。でも、そんな事は全く問題じゃない。
この映画で観られる映像はまさに「巨大怪獣、合衆国蹂躙」です。
多分、大多数の怪獣ファンが見たかったけど見られなかった映像がテンコモリです。
地底から地割れとともに出現する60メートルのトライポッドが怪音を発し、
建物をなぎ倒し、殺人光線で無差別攻撃を行う様はまさに怪獣映画。
山の向こうから巨大な姿を現すシーンに初代ゴジラ登場を思い出したのは
私だけじゃないでしょう。
◆今回の映画で侵略の怖さをシンプルかつリアルにしているのが主人公の位置づけ。
とかくこの手の映画は軍人、科学者、マスコミといった特別な人たちを主人公に
据えたがりますが、なんだかわからない物体の襲撃から逃げ惑う一般人を主人公
としたため、説明っぽい謎解きや説教臭いご教示といった余計なストーリー展開
から開放されています。
その分、緊迫感を持続する演出力、無駄なものを整理する構成力が
必要となってきますが、そこは流石にスピルバーグ。
全く中だるみせずノンストップで最後まで引っ張ってくれます。
とはいえ物語は主人公が侵略者からひたすら逃げ惑うだけですから
内容が無い、っていう人もいるでしょうけどね。オチもシンプルだし。
でも名作と言われるホラー映画を思い出してください。
「物体X」も「ナイトオブザリビングデッド」も「悪魔のいけにえ」もシンプルな話ですよね。
色々詰め込んで無いと「駄作」で片付けるのはいかがなものかと。
◆とにかく巨大なものをそのまんま巨大に見せる映像はそれだけで見る価値有り。
CG、ミニチュア、ロボット・・・VFX技術を総動員させての映像でしょうが、
全く違和感がありません。ハリウッドは遂にここまで来たか、と思わせる映像です。
5年先、10年先でも良いからこのノリでスピルバーグにゴジラを撮ってもらいたいなぁ。
って最後はいつもこればっか(^^;