2006年 04月 04日
「猪木×ロビンソン」 昭和の名勝負 |
私が一番好きな試合です。見れば見るほどコクが出る試合。
私のプロレス観戦はモンスターマン戦からですから、リアルタイムで
見た訳ではなく、結果も大筋も知ったうえでビデオ鑑賞したわけですが、
それでもスリリングな攻防には唸らされました。
所謂サブミッションを前面に出したUWFスタイルではなく
あくまでプロレスのテクニックマッチです。しかし総合を通過した
目で見ると両者のポジショニングの攻防、基本技の裏で見え隠れする
シュートテクニックが垣間見え、見る度に新しい発見がある試合です。
例えば何の変哲も無いように見えるフロントネックロックが実は
首をへし折ることが出来るような厳しい決め方であったり、
(後年ロビンソンはフロントネックロックで人殺しは可能と平然と言い放ってました)
猪木の執拗なクロスネックロックをロビンソンが顔面急所攻めではずしたり、
上になられても足をフックして、きっちりガードポジションをキープする攻防
とか、格闘技的に見ても興味深い攻防が見え隠れしてます。
その上できっちりプロレスとしての見せ場=大技の攻防も要所要所に
ある訳で両者の技量には唸らされるばかりです。
当時この試合を観戦したアマレスの笹原氏が
「プロのレスリングは凄い」と唸ったと伝えられていますが
現代の格闘家の目にはどのように映るのでしょう。
-----------------------------------------------------
コメント
投稿者:ねこギター 2006/4/6 19:37
こんばんは。木村さんのところから来ました。
よろしくお願いします。
私もロビンソン戦は何回繰り返し観たかしれません。
テレビ放送は、1本めを10~15分カットしての放映だったと記憶しています。
最後まで肘打ちしながらのドローにすごく感動しましたね。
フルバージョンのビデオが出たのは、何年も後でした。
その時、1本めの攻防を改めて見て、今までのどの試合よりすごい試合だったと感じました。
クロスネックロックは好きな技ですが、猪木さん以外の使い手はあまりいませんね。
投稿者:kimura 2006/4/6 20:52
去年、グアムで猪木さんとプールサイドでゆっくり話す機会があり、
ロビンソンのことを訊きました。
以前、質問したときもそうだったのですが、猪木さんはロビンソ
ンが本当に好きじゃないらしく、結構、露骨に嫌な顔をされました。
あれだけの名勝負をしながら、後ろ足で砂をかけるようにして全
日へ行かれてしまったことや、あっさりジャイアント馬場に負け
られてしまったことなど、いまだに忘れられない屈辱があるので
しょうが、私はそれ以上に、あの60分フルタイムが猪木さんに
とって別の意味の屈辱があったに違いないとあらためて思いました。
以前、本にも書いたのですが、この試合はアントニオ猪木の技術
をもってしてもコントロールしきれなかった希有な闘いだった、
というのが私の持論です。誇り高いアントニオ猪木にとって、ロ
ビンソン戦はそのプライドを傷つけられた一戦。相手の裏をかき
あう格闘技的な展開(しかも高度な)があったからこそ、この一
戦は歴史に残っているのですが、おそらくはアントニオ猪木が当
初イメージしていたような試合とは別ものになってしまったのだと思います。
レスリング我が儘世界一決定戦はロビンソン勝利。ということ
だったのではないでしょうか(笑)。
投稿者:pasin 2006/4/7 17:56>kimuraさん
>この試合はアントニオ猪木の技術をもってしてもコントロールしきれなかった希有な闘いだった
私も同様の印象を持っています。
当時、立会人のテーズも
「両者の実力は伯仲しているが、全体的にはロビンソンが支配していた試合」
というような趣旨のコメントを残していたはずです(当時のゴングで読んだ記憶あり)。
猪木がグラウンドでイニシアチブを取れなかった試合って少ないですよね。
全盛期だとボブループ戦にもそういう印象があります。
まあボブループの場合、無作法という面も大きかったと思いますが(^^;。
投稿者:pasin 2006/4/7 18:04
>ねこギターさん
ようこそお越しくださいました。
こちらでもよろしくお願いします。
>テレビ放送は、1本めを10~15分カットしての放映だったと記憶しています。
そうだったんですか。確かにテレビで60分フルに放送するのは難しいですもんね。
そういえば53年のバックランド戦もカット有でしたね。
>クロスネックロック
私もこの技は好きです。
中学生時代にプロレスごっこをやっていてこの技をかけたら、柔道部在籍の大男が本気で返せなかったんですよね。
この技の威力を思い知りました(^^;。
投稿者:kimura 2006/4/7 20:47
猪木のクロスネックロックをロビンソンが一瞬の顔面急所攻撃で
外す場面。ビデオ分析をしていてその場面をあらためて発見した
時、鳥肌が立った憶えがあります。
山本小鉄さんが言っていました。
「目をえぐったり、鼻を曲げたり、口を裂いたり、指を簡単に折
る技っていうのもあります、目をえぐるにもテクニックがあっ
て、ただ指を突っ込んでもできない。そういうコツみたいなもの
をゴッチさんから僕も教わりました」
ゴッチとロビンソンは同門の兄弟弟子。
あの場面、ロビンソンはその技術の一端を対アントニオ猪木とい
う大舞台で使ったんですね。
その辺も、猪木さんがどうしてもロビンソンを認めたくない理由
のような気がしますが、そうするしか、ロビンソンも猪木のクロ
スネックロックを外す方法がなかった・・・極限の攻防だったの
ではないでしょうか。
投稿者:kimura 2006/4/7 21:09
つづきです。
結局、ロビンソンは技を外す為に、いとも簡単に最後の引き出し
を開けてみせた。それは当時の猪木にとってはかなりのショック
だったのではないかと。
それこそ、日本人の感覚からすれば、そのあたりの技術は秘伝中
の秘伝であり、命のやり取りの局面になってはじめて封印を解く
最終兵器であって、技が外せないからといって簡単に出せる技で
はなかったと思われます。
日本人と英国人のメンタリティの違いもあるでしょうが、そうい
う奥の手をある意味ひけらかすような闘いをするロビンソンに対
する嫌悪感も猪木にはあった。そんな気がします。
実際、やろうと思えばあの試合の中で猪木だってそれはやれたわ
けですから(猪木の場合、やったら最後。相手は再起不能になっ
てしまう。だからやらないわけで)。猪木とすれば、その前段階
のレベルでスポーツライクなテクニックの応酬をやりたかった。
その意図を知りながら、意地悪に技の流れを止めるロビンソン。
むしろロビンソンは、猪木がどこまでの引き出しを持っているの
か確かめるために、わざとそれをやっていたようにも思います。
投稿者:ねこギター 2006/4/7 22:01
pasinさん、木村さん、こんばんは。
あのネックロックは私も真似してやりましたよ(^^)
はずれないですねぇ。
ロビンソンの自伝を読むと、ゴッチへの対抗心が強烈ですね。その辺の意地が猪木の攻撃を封殺するような戦い方に影響してるのかなとも思いました。
ただ関節技の出し方も品がないというか、普段のプロレスでは出さないようなリストロックや指折りを使っていたように思います。
テーズとゴッチの対談でこの闘いの総評やってましたね。技術ではロビンソン、ガッツで猪木だと言ってたような(笑)。
投稿者:pasin 2006/4/8 23:20
>kimuraさん
山本小鉄氏といえば古館さんが「山本さんと飲んでいたら酔っ払いにからまれた。
その酔っ払いがあまりにしつこいので山本さんが
首の後ろを軽く突いたら、酔っ払いは泡吹いて倒れたので驚いた」
という伝説?を聞いたことがあります。
ロビンソンは他のレスラーにも裏技的なものを良く使っていたようで
あまり良く言うレスラーは少ないですね。
ロビンソンがシュートでは無くフッカーと呼ばれる事が多いのは、その辺に由来するのかもしれません。
投稿者:pasin 2006/4/8 23:30
>ねこギターさん
あ、やっぱりやってみましたか(^^;
あれは素人がかけてもあれだけ強烈なんですから
プロが本気でかけたら首をへし折るのも可能だと思います。
>関節技の出し方も品がないというか、普段のプロレスでは出さないようなリストロックや指折りを使っていたように思います。
確かに猪木戦ではクロスアームバーを掛けながら指も捻りあげたりしてますよね。
こんなことは全日本時代も国際時代もやってたんですかね?
それとも猪木戦が特別だったのか・・・
ゴッチ・テーズがこの試合に呼ばれたのはシュートマッチになるのを
防止するためだったと流智美氏の本で読みました。
本当にファンタジーとリアリティがたくさん詰まった奥が深い試合です。
私のプロレス観戦はモンスターマン戦からですから、リアルタイムで
見た訳ではなく、結果も大筋も知ったうえでビデオ鑑賞したわけですが、
それでもスリリングな攻防には唸らされました。
所謂サブミッションを前面に出したUWFスタイルではなく
あくまでプロレスのテクニックマッチです。しかし総合を通過した
目で見ると両者のポジショニングの攻防、基本技の裏で見え隠れする
シュートテクニックが垣間見え、見る度に新しい発見がある試合です。
例えば何の変哲も無いように見えるフロントネックロックが実は
首をへし折ることが出来るような厳しい決め方であったり、
(後年ロビンソンはフロントネックロックで人殺しは可能と平然と言い放ってました)
猪木の執拗なクロスネックロックをロビンソンが顔面急所攻めではずしたり、
上になられても足をフックして、きっちりガードポジションをキープする攻防
とか、格闘技的に見ても興味深い攻防が見え隠れしてます。
その上できっちりプロレスとしての見せ場=大技の攻防も要所要所に
ある訳で両者の技量には唸らされるばかりです。
当時この試合を観戦したアマレスの笹原氏が
「プロのレスリングは凄い」と唸ったと伝えられていますが
現代の格闘家の目にはどのように映るのでしょう。
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コメント
投稿者:ねこギター 2006/4/6 19:37
こんばんは。木村さんのところから来ました。
よろしくお願いします。
私もロビンソン戦は何回繰り返し観たかしれません。
テレビ放送は、1本めを10~15分カットしての放映だったと記憶しています。
最後まで肘打ちしながらのドローにすごく感動しましたね。
フルバージョンのビデオが出たのは、何年も後でした。
その時、1本めの攻防を改めて見て、今までのどの試合よりすごい試合だったと感じました。
クロスネックロックは好きな技ですが、猪木さん以外の使い手はあまりいませんね。
投稿者:kimura 2006/4/6 20:52
去年、グアムで猪木さんとプールサイドでゆっくり話す機会があり、
ロビンソンのことを訊きました。
以前、質問したときもそうだったのですが、猪木さんはロビンソ
ンが本当に好きじゃないらしく、結構、露骨に嫌な顔をされました。
あれだけの名勝負をしながら、後ろ足で砂をかけるようにして全
日へ行かれてしまったことや、あっさりジャイアント馬場に負け
られてしまったことなど、いまだに忘れられない屈辱があるので
しょうが、私はそれ以上に、あの60分フルタイムが猪木さんに
とって別の意味の屈辱があったに違いないとあらためて思いました。
以前、本にも書いたのですが、この試合はアントニオ猪木の技術
をもってしてもコントロールしきれなかった希有な闘いだった、
というのが私の持論です。誇り高いアントニオ猪木にとって、ロ
ビンソン戦はそのプライドを傷つけられた一戦。相手の裏をかき
あう格闘技的な展開(しかも高度な)があったからこそ、この一
戦は歴史に残っているのですが、おそらくはアントニオ猪木が当
初イメージしていたような試合とは別ものになってしまったのだと思います。
レスリング我が儘世界一決定戦はロビンソン勝利。ということ
だったのではないでしょうか(笑)。
投稿者:pasin 2006/4/7 17:56>kimuraさん
>この試合はアントニオ猪木の技術をもってしてもコントロールしきれなかった希有な闘いだった
私も同様の印象を持っています。
当時、立会人のテーズも
「両者の実力は伯仲しているが、全体的にはロビンソンが支配していた試合」
というような趣旨のコメントを残していたはずです(当時のゴングで読んだ記憶あり)。
猪木がグラウンドでイニシアチブを取れなかった試合って少ないですよね。
全盛期だとボブループ戦にもそういう印象があります。
まあボブループの場合、無作法という面も大きかったと思いますが(^^;。
投稿者:pasin 2006/4/7 18:04
>ねこギターさん
ようこそお越しくださいました。
こちらでもよろしくお願いします。
>テレビ放送は、1本めを10~15分カットしての放映だったと記憶しています。
そうだったんですか。確かにテレビで60分フルに放送するのは難しいですもんね。
そういえば53年のバックランド戦もカット有でしたね。
>クロスネックロック
私もこの技は好きです。
中学生時代にプロレスごっこをやっていてこの技をかけたら、柔道部在籍の大男が本気で返せなかったんですよね。
この技の威力を思い知りました(^^;。
投稿者:kimura 2006/4/7 20:47
猪木のクロスネックロックをロビンソンが一瞬の顔面急所攻撃で
外す場面。ビデオ分析をしていてその場面をあらためて発見した
時、鳥肌が立った憶えがあります。
山本小鉄さんが言っていました。
「目をえぐったり、鼻を曲げたり、口を裂いたり、指を簡単に折
る技っていうのもあります、目をえぐるにもテクニックがあっ
て、ただ指を突っ込んでもできない。そういうコツみたいなもの
をゴッチさんから僕も教わりました」
ゴッチとロビンソンは同門の兄弟弟子。
あの場面、ロビンソンはその技術の一端を対アントニオ猪木とい
う大舞台で使ったんですね。
その辺も、猪木さんがどうしてもロビンソンを認めたくない理由
のような気がしますが、そうするしか、ロビンソンも猪木のクロ
スネックロックを外す方法がなかった・・・極限の攻防だったの
ではないでしょうか。
投稿者:kimura 2006/4/7 21:09
つづきです。
結局、ロビンソンは技を外す為に、いとも簡単に最後の引き出し
を開けてみせた。それは当時の猪木にとってはかなりのショック
だったのではないかと。
それこそ、日本人の感覚からすれば、そのあたりの技術は秘伝中
の秘伝であり、命のやり取りの局面になってはじめて封印を解く
最終兵器であって、技が外せないからといって簡単に出せる技で
はなかったと思われます。
日本人と英国人のメンタリティの違いもあるでしょうが、そうい
う奥の手をある意味ひけらかすような闘いをするロビンソンに対
する嫌悪感も猪木にはあった。そんな気がします。
実際、やろうと思えばあの試合の中で猪木だってそれはやれたわ
けですから(猪木の場合、やったら最後。相手は再起不能になっ
てしまう。だからやらないわけで)。猪木とすれば、その前段階
のレベルでスポーツライクなテクニックの応酬をやりたかった。
その意図を知りながら、意地悪に技の流れを止めるロビンソン。
むしろロビンソンは、猪木がどこまでの引き出しを持っているの
か確かめるために、わざとそれをやっていたようにも思います。
投稿者:ねこギター 2006/4/7 22:01
pasinさん、木村さん、こんばんは。
あのネックロックは私も真似してやりましたよ(^^)
はずれないですねぇ。
ロビンソンの自伝を読むと、ゴッチへの対抗心が強烈ですね。その辺の意地が猪木の攻撃を封殺するような戦い方に影響してるのかなとも思いました。
ただ関節技の出し方も品がないというか、普段のプロレスでは出さないようなリストロックや指折りを使っていたように思います。
テーズとゴッチの対談でこの闘いの総評やってましたね。技術ではロビンソン、ガッツで猪木だと言ってたような(笑)。
投稿者:pasin 2006/4/8 23:20
>kimuraさん
山本小鉄氏といえば古館さんが「山本さんと飲んでいたら酔っ払いにからまれた。
その酔っ払いがあまりにしつこいので山本さんが
首の後ろを軽く突いたら、酔っ払いは泡吹いて倒れたので驚いた」
という伝説?を聞いたことがあります。
ロビンソンは他のレスラーにも裏技的なものを良く使っていたようで
あまり良く言うレスラーは少ないですね。
ロビンソンがシュートでは無くフッカーと呼ばれる事が多いのは、その辺に由来するのかもしれません。
投稿者:pasin 2006/4/8 23:30
>ねこギターさん
あ、やっぱりやってみましたか(^^;
あれは素人がかけてもあれだけ強烈なんですから
プロが本気でかけたら首をへし折るのも可能だと思います。
>関節技の出し方も品がないというか、普段のプロレスでは出さないようなリストロックや指折りを使っていたように思います。
確かに猪木戦ではクロスアームバーを掛けながら指も捻りあげたりしてますよね。
こんなことは全日本時代も国際時代もやってたんですかね?
それとも猪木戦が特別だったのか・・・
ゴッチ・テーズがこの試合に呼ばれたのはシュートマッチになるのを
防止するためだったと流智美氏の本で読みました。
本当にファンタジーとリアリティがたくさん詰まった奥が深い試合です。
by pasinpasin
| 2006-04-04 18:03
| 格闘技・プロレス
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