「プロレス復興計画」を読んだ |
なかなか興味深い内容だったので購入致しました。
BI極秘会談とか前田×新間対談とか色々興味深い記事が
並んでおりますが、中でも面白かったのが、
「プロレス復興計画はかく実行すべし!」と題された記事。
論客として新間、北斗晶、谷川P、I編集長、サイモン猪木・・・
と錚々たる面子が揃っています。
詳細は書店で確認していただくとして、個人的に共感できた
意見を抜粋いたします。
<キラーカン>
この間たまたまテレビつけたら・・・選手の名前はわかんないですけど
試合やってて、そこで顔の引っ叩きあい、何十発かしらないけど、
お互い交互に叩いているワケですよ(中略)あれを見ててね
「お前ら、幼稚園か小学生のジャレ合いか」って言いたくなりましたよ。
(中略)その前に見たときも、名前わかんないけど身体の大きな人間がね、
相手の胸にパチパチ・・・(中略)俺はあれを見て
「ああプロレスももう終わりか・・・」と思ったですね。
・・・俺らのやってた頃はもっと一発一発に重みがあったし、
相手に与えるダメージもそれだけ大きかったですよ(中略)
そんな蝿叩きみたいなチョップ何十発もやったり
「今度は貴方の番ですよ。はいどうぞ」って・・・
そんなのプロレスじゃないってお笑いですよ、お笑い。
(中略)やっぱり蹴るのも殴るのも思い切って一発で
倒すぐらいじゃないとね。それが、俺が猪木さんから教わってきた
ストロングスタイルでありプロレスなんですよ。
おそらく秋山×鈴木と小橋に対する弁だと思いますが、
全くもってその通り!
最近、新日が落ちたことでノアの評価が相対的に上がっていますが、
あれはあくまで村松流に言えば「プロレス内プロレス」を現代風に
やっているだけなんですよね。きわめて真面目に。
(まあ最近の新日はそれすらマトモにこなせないんですが)
又、吉田豪はこんなことを言っています。
(前略)今のプロレスが(昔のプロレスと)決定的に違うと思えるのは、
なんといっても闘いのリアリティを失ったということである。
暴露本のリリースはあくまで駄目押しに過ぎず「打撃をしっかり入れる」
「関節技はちゃんと極める」といった程度のことすら軽視するように
なってしまった(中略)ボクに言わせればNOAHはかつての全日本
同様、保険みたいなもの(中略)常に世間を視野に入れてスキャンダル
な仕掛をしてきた新日がネガティブな話題しか提供できなくなったのが全て悪い(中略)
予定調和だと思われがちなプロレスに闘いのリアリティを加えるには
一時の小川直也のように一度でもガチ暴走の実績を作っておくことで
「いつガチに転んでもおかしくない空気」を生み出すのが手っ取り早い。
そう考えた前田日明のセンスは業界内では認められないだろうが、
ボクは断じて指示したい。単なるショーでも単なる真剣勝負でも
ない、ちょっと他人には説明しづらい特殊なジャンルとしてのプロレス
がボクはやっぱり好きなのだ(中略)
吉田豪という人は茶化したところがあったり、偏ったところがあるので
誤解されがちですが上記の意見については全面賛成です。
最後に佐山の弁を
プロレスというのは本当はすごく厳しい世界なんですよ。
(自分にとって)本当の肥やしとなっているのは、若手時代に大技を
出すなとか、こんなことやっちゃいけないぞ、とか基本を徹底的にやれ
といわれた3年間なんです。
(中略)猪木さんがプロレスを離れた数年間で本当におかしくなった
と思いますね。(中略)猪木さん自身も東京ドームに行ったときに
モニターの前で「こんなの見たくねえ」と怒ってるんですからね。
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コメント
投稿者:ねこギター 2006/4/27 1:23
pasinさん、こんばんは。
その本、私も本屋さんでほぼ全ページ立ち読みしました(笑)。やはり同じところに共感しました。
吉田氏の意見は、村松「過激なプロレス」論と通じるものですね。表現とシュートの凄みが複雑にからんで拮抗し昇華したとき、やっぱりプロレスラーは凄いなあと思うんじゃないか。
ちょっと前に、ニッカンスポーツ?が新日本再生プランを募集したことがありましたけど。プロレスをなめた意見も多かったです。やはり世間に馬鹿にされたらオシマイです。
http://ww71.tiki.ne.jp/~doro/
投稿者:pasin 2006/4/27 12:39
>ねこギターさん
逆に共感できなかったのは北斗とサイモンの意見。
北斗曰く「小橋、健介、KENTA、カズハヤシetc・・・
この人たちを集めて、ハッスル並みの演出でやれば
復興する」って甘すぎるんじゃないでしょうか(^^;
そんなんで復興するならとっくにしてますって。
サイモン曰く「試合内容は良くなってきてる。ゴールデンタイムで露出すれば良くなる」・・・
猪木さん、こんな事で良いんですか!
投稿者:ねこギター 2006/4/27 14:17
ハッスルがやっていることは、全然新しくなくて、昔、全日本女子プロレスがやっていたことを大掛かりでやっているだけです。萩原ミミや歌謡ショーや痛くない灯油缶や極悪ナントカとかと一緒です。
ゴング誌の巻頭インタビューが小川、天龍と続きました。二人は嫌いではないですし、プロレスに対する思いは納得する部分もあります。しかし二人とも柔道、相撲と世間に認知された実績を持っているから言えるような気もします。生え抜きのプロレスラーに誇れるのは何があるんでしょうかと。
投稿者:Ta 2006/4/27 15:33
どうもです。
キラーカンさんの意見、私が普段思っていることそのままです。(笑)私もあのもちつきみたいなやり取りは只のバカにしか見えません。
>ねこギターさん
私はそれはむしろ全女に失礼ではないかと思うほどにハッスルは価値のないものだと思っています。出来の悪いアメプロごっことでもいうか…。
投稿者:pasin 2006/4/28 17:33
ハッスルについてはプロレスとは別物。
ひょうきんプロレスとかめちゃイケプロレスと同じものだと思ってます。
前田が言う「芸能人が居れば事足りるリング」この一言で済むんじゃないでしょうか。
むしろ問題なのはプロレス側に一線を画す部分がなくなってしまっている点。
あのリングに普通に上がって、普通にプロレスしている姿勢に問題があると思います。
もし、現役時代の前田日明や猪木がハッスルのリングに上がったら・・・ただ事じゃ済まないでしょうね(^^;。
投稿者:ねこギター 2006/4/28 20:44
ハッスルを楽しんでいるプロレスファンは、どのような意識で観ているかということがあります。それはプロレスのブックを積極的に楽しめばいいじゃないか。プロレスはショーだと割り切った上でメタレベルで楽しんでるんですよ、みたいなことでしょう。それがいやなんですね、私は。
新日復興計画ですが、猪木が経営にタッチするんじゃなくて、道場に復帰してほしい。藤原、佐山、木戸を呼んで。無理かな。
投稿者:kimura 2006/4/28 21:25
プロレスラーの仕事とは何なのか? その解釈の問題なんでしょ
うね。少なくともハッスル肯定派のレスラー達は自分たちの仕事
は「見世物でいい」と考え、新日本を含めて彼らの職業メニュー
には〝強さの追求〟は載っていないんでしょう。
強くなる、あるいは強さを維持するのは、本来、レスラーとして
最低限の条件であり、同時にプロレスは単なるショーではないと
いうプライドの裏付けでもあるのに、彼らは90年代のブームに浮
かれて楽することを覚えてしまったんです。
新日本の某主力選手と話した時のことです。
「アントニオ猪木のプロレスの凄いところは?」と質問すると、
某主力選手はこう答えました。
「顔ですね。あの表情でしょう」
強さを忘れたレスラーには、アントニオ猪木のプロレスもそんな
風にしか見えない。そういうことのようです。
投稿者:Ta 2006/4/29 10:54
どうもです。
ハッスルって…プロレスなんでしょうか?いや、まあやってる側がプロレスと名乗ってる以上プロレスなんでしょうけど…。出演者がプロレス復興みたいなことを言ってるけど私はハッスルはDSEがプロレスを根絶させるために作ったものののように思えて仕方ありません。
プロレスがいかにいい加減でくだらないものかを見せ付け、自称プロレスラーと芸人にプロレスコントをやらせてるだけ。真剣勝負はPRIDE、プロレスはくだらないおふざけということを印象付けるためにやってるような…。
投稿者:pasin 2006/5/1 14:13
>kimuraさん
>某主力選手はこう答えました。
>「顔ですね。あの表情でしょう」
うーむ。なんか悲しくなってきますね。
確かに猪木さんの表情作りは当代随一でしたが、
それも強さの裏づけがあって自信が顔に出たということだと思うんですけどね。
本当に新日は一回潰したほうが良いのかもしれません。
投稿者:pasin 2006/5/1 14:23
>Taさん
私もPRIDEという場は好きですが、DSEという会社は嫌いです。
猪木さんがDSEを離れるときに言ってましたが「背後にあるものが汚すぎる」
これに尽きると思います。
ハッスルは今じゃ真面目にやっているのかもしれませんが
何となく穿った目で見てしまいますよね。