LED ZEPPELIN 永遠の詩・リマスターDVD&CD |
今回のリマスターは並々ならぬ期待を寄せておりました。
前回カットされていた”丘の向こうに”他数曲が加えられて
完全版に近いものになるというリリース前の情報に期待は膨らむばかり。
発売前日にHMVで購入して聞きまくりました。
<音質>
これはもう素晴らしいの一言。
当然のことながら76年版よりクリアですし、楽器の音色、特にギターが生々しい。
若干、ボーカルはエフェクトかけ過ぎに感じる箇所もありますが、
ZEP特有の音が一塊になってくる感じにミックスされていて
ステージに近いところで録られた会場録音を思い浮かべました。
まさにステージ近くではこんな感じで聞こえていたんでしょう。
<画質&映像>
画質も多少クリアになってますが、期待したほどの向上ではありませんでした。
ボーナス収録の映像以外既出映像ばかりですし。
一説によると権利関係の問題で映画部分=disc1については再編集出来なかったとか。
おかげでコンサートの流れに沿った曲順になっておらず、初登場2曲はボーナス扱い。
劇中、例のイメージ映像がそのまま残っているので「ライブをじっくり見せろや!!」
という私のような輩には不満が残る結果となりました。
<編集>
これはかなり不満。
76年版「永遠の詩」が映画、サントラ盤共に1973年のUSツアー千秋楽、
MSG3日間連続公演からのイイトコドリで作られたのは有名な話ですが、
映画とサントラ盤では大きく編集が異なりました。
映像と音のシンクロという制限のある映画に対して、サントラの方は曲毎に
異なる日のテイクを継ぎはぎして編集して、より完成度を高めている
というかなり力技の編集になってました。
今回のCDも同様のコンセプトで製作されてますが、編集内容はほとんど別物。
DVDの方は前述の通り、映像とのシンクロ&再編集不可という制約が
あったのは理解できますが、CDの方まで曲順以外ほぼDVDと
同じ編集と言うのは正直がっかりです。
”Black Dog"は2コーラス目カットの短縮バージョンだし
76年版では屈指の名演となっていた”No Quarter"もギターソロが大幅カット。
”幻惑されて” ”天国への階段”も76年版には無かった不自然な編集が為されています。
特に天国~は何故か”to be a rock and not to roll"の後の
”Don’t make me roll"というシャウトがカットされていて拍子抜け。
”胸いっぱいの愛を”も何だか編集のつなぎが唐突です。
やっぱり最強盤を歌うならCDの方はDVDに囚われない独自の編集を
して欲しかったなあ。
とまあ文句の方が多くなってしまいましたが、これは期待の裏返し。
余計な期待が無ければ、非常に優れたライブ盤だと思います。
「How The West Was Won」は72年の完璧に近いZEPが聞けるライブ盤ですが、
73年以降のルーズで独特なグルーブの方が好きな私としてはこちらのほうが
聞く回数は多くなるでしょう。
しかしたった1年でここまで変わるんだから凄いバンドだよな。